ジビエ料理のレシピ紹介

■お惣菜ジビエ■ 酢鹿 秋ver.

田畑の作物を目あてにやってくる里山の動物達、ここ相模原市でも農家にとって死活問題になっています。
問題解決のひとつとして、狩猟で頭数を減らすことが行われています。
しかしながら、食肉として市場に出回る量は少ないのが現状。また、ジビエ料理は何となく敷居が高い印象です。
お惣菜のように、気軽に作ることが出来て美味しい料理なら、もっと身近になるのではと考えます。
命あるものをいただいて、自らの命を繋いでいく食物連鎖の中で、管理栄養士の私が出来ること・・・レシピを考え、発信し、啓蒙していくこと。
そして、沢山の方々が料理を作り食すことで『命ある資源』の有効活用につながればと思っています。
『命ある資源』とは、地域で採れる農作物だったり、海産物や畜産物、そして害獣と言われる里山の動物達も全て含みます。
それらを融合し、暮らしに寄り添う料理=お惣菜として広く活用されることを願っています。
と言うことで、鹿肉を使用した酢豚ならぬ酢鹿を作りました。
低脂肪で赤肉の旨味がぎゅぎゅっと詰まった鹿肉。軟らかくジューシーにするために、お豆腐と炒め玉ねぎを挽き肉に混ぜ込みました。多めの油で揚げ焼きにしてしっ
かり中まで火を通します。後は普通の酢豚を作る手順です。
地元で採れる野菜を中心に使用しました。『秋ver.』としてきのこをたっぷりと。更に、地元の栗を入れて里山を表現しました。(市外には出回りませんが、相模原市で
は栗が沢山採れます。)相模原の里山が育んだ鹿と地産作物のコラボレーションです!
鹿肉は、他の食肉に比べ、
●低カロリー(牛肉の約半分)、低脂肪(牛肉の約1/10)⇒メタボ予防、ダイエット
●高たんぱく質(鶏ささ身同等)⇒筋肉増強、高齢者などの低栄養予防
●鉄分、銅が多い⇒貧血予防、自身のたんぱく質と相乗効果で造血作用に優れている
●ビタミンB 群が多い⇒疲労回復、ダイエット効果
●飽和脂肪酸が少ない⇒動脈硬化や脂質異常症の予防
●L-カルニチンが多い⇒脂肪燃焼効果、ダイエット効果
等、子供から高齢者、アスリート、ダイエッター、メタボ・・・あらゆる方々に必要な栄養素を兼ね備えています。
『酢鹿 秋ver.』は、きのこや栗の食物繊維、野菜のビタミン類、カロテンと油の相乗効果、更に酢やケチャップの有機酸と合わせることで鹿肉の鉄分の吸収率UP が期待
できます。鹿肉の優れた味と機能を 季節の野菜と共に楽しんでいただける一品です。

【一人分の栄養価】
268kcal、たんぱく質:12.7g、脂質:10.9g、炭水化物:31.0g(糖
質:26.0g)、鉄:2.2 ㎎、レチノール当量:175μg、食物繊維:5.0g、食塩:1.9g

材料・分量(4人分)

材料 分量
≪鹿団子≫ ※可食部重量
・鹿スライス肉(脂肪、筋膜、すじがないもの) 140g
(狩猟をしている友人から無料で頂いた肉を使用しました)
・木綿豆腐 120g
・玉ねぎ 120g
・サラダ油(玉ねぎ炒め用) 12g (大匙1)
・根生姜 5g
・塩 0.4g (ひとつまみ程度)
・こしょう ・ナツメグ(又はクミン粉) 各少々
・片栗粉 12g (大匙1 と1/3)
・サラダ油(鹿団子炒め用) 36g (大匙3)
≪野菜類≫
・玉ねぎ 140g
・パプリカ 80g
・ピーマン 80g
・人参 80g
・生しいたけ 60g
・しめじ 60g
・舞茸 60g
・栗 80g (大きいもの4 個)
≪あん≫
濃口醤油 32g (大匙2 弱)
砂糖 14g (大匙1 と1/2)
トマトケチャップ 36g (大匙2 と1/3)
36g (大匙2 と1/3)
鶏ガラスープの素(60 倍希釈用) 1.2g (小匙1/3)
80cc
片栗粉 10g (大匙1 弱)

作り方

  1. 栗は、鬼皮をとり水から茹でる。中火で15~20 分位、楊枝を刺して中まで火が通っていたらザルにあけて冷ます。表面が乾燥してきたら渋皮をむく。
    ※渋皮がむき難くなるので水にはさらしません。
  2. 木綿豆腐は、キッチンペーパーで包み耐熱皿にのせて、電子レンジ500Wで約2 分(豆腐がふつふつするまで)加熱し、冷ます。
    ※水切り後70g が目安です。
  3. ≪鹿団子≫の玉ねぎは、みじん切りにし、フライパン(直径26 ㎝が適当)にサラダ油を引き、中火でしんなりするまで炒め、冷ます。
    ※焦がさないよう注意。炒め後70g が目安です。
  4. 根生姜は、すりおろす。
  5. ≪野菜類≫の玉ねぎは、角切りにする。
  6. パプリカ、ピーマンは、種を取り角切りにし、さっと茹で、冷水にとりザルにあける。
  7. 人参は、皮をむき乱切りにし、やわらかくなるまで茹で、ザルにあける。
    ※今回は使用しませんが、下茹でをした湯はスープ等に利用できます。
  8. 生しいたけは石づきを取って一口大のそぎ切り、しめじと舞茸は小房に分けておく。
  9. ≪あん≫の調味料をよく混ぜ合わせておく。
  10. 鹿スライス肉を包丁(あれば出刃包丁)でたたいてミンチにし、②の豆腐、③の炒め玉ねぎ、④のおろし生姜、塩、こしょう、ナツメグ(又はクミン粉)、片栗粉を加え粘りが出る迄よく混ぜる。1 個15g程度の団子にしてバットに並べておく。
    ※鹿肉は、処理する直前まで冷蔵保管しておきます。また、一番最後に処理して直ぐに加熱すると衛生的で食味も良好です。
  11. フライパン(Φ26 ㎝が適当)にサラダ油を引き、⑩の団子を中火~弱火で揚げ焼きにする。途中で上下を返し蓋をして中まで十分に火を通す。キッチンペーパーを敷いたバットにとる。
  12. ⑪のフライパンの余分な油を捨て、玉ねぎを入れ中火で炒める。透き通ってきたら、きのこ類を加えて更に炒める。水分がなくなり焦げそうになったら水を少量まわし入れる。
  13. ⑦の人参を加え強火で炒め、⑥のパプリカ、ピーマン、⑩の肉団子を加える。
  14. 材料が熱くなったら、弱火にし⑨の調味料をかき混ぜながら加えてとろみが付くまで加熱する。
  15. ①の栗を加え、ひと混ぜしたら器に盛付けて出来上がり。

※下茹でしたピーマンを数切れ残しておき、盛付けた後に添えると彩りがきれいです。