トピックス

平成26年8月 ジビエ関連情報

2014年09月11日

8月19日 山梨放送 早川町にシカの加工処理施設が完成
 シカの食害が深刻さを増すなか、シカ肉専門の加工処理施設が18日、早川町に完成した。これまで十分に活用できなかったシカ肉を町の特産にし、食害の軽減にも繋げたい考え。
 県によるとシカの食害は近年、増加傾向にあり一昨年の被害金額は4千万円に上るなど大きな問題になっている。
 こうした厄介者のシカを特産品化して食害の軽減にもつなげようと早川町に県内3件目となる野生動物・ジビエの処理加工施設が完成し、18日竣工式が行われた。以前はハム工場として使われていた施設を改修したもので早川町の業者が運営し町内で捕獲されたシカを枝肉に解体して冷凍し都内のレストランなどに卸す。
 施設では年間で少なくとも100頭以上の処理を目標としていて将来はハムなど加工品の生産も手がけたい考え。
 県みどり自然課によると去年県内で捕獲されたシカのうち施設で処理されたのはおよそ1・3%にとどまっている。

8月20日 毎日新聞 ジビエ料理:シカやイノシシ肉に人気 衛生管理の指針作り
 シカやイノシシなど野生鳥獣の肉を食材にする「ジビエ料理」の食中毒を防ぐため、厚生労働省が衛生管理の指針づくりを進めている。ジビエ料理を巡っては、地域振興に役立てる取り組みが各地に広がり、メニューに取り入れる飲食店も増加。食の安全を確保する国の基準が必要だと判断した。狩猟シーズンが本格化する11月ごろまでに指針をまとめる方針だ。
 指針の作成を進めているのは7月に厚労省に設置された専門家の検討会。鳥獣を解体する器具の扱い方や、内臓の処理の方法、寄生虫やウイルスを殺す加熱の基準などを示す方針だ。
 「ジビエ」は狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉を意味するフランス語。国内では野生鳥獣による農作物被害の広がりを背景に注目されるようになった。全国の農作物被害は年間200億円以上。環境省の推計によると、2011年度のニホンジカ(北海道を除く)の個体数は約261万頭で20年前の約7倍。イノシシは約88万頭で約3倍に達する。同省は今年5月、野生鳥獣の捕獲事業を強化するため鳥獣保護法を改正し、10年以内にシカやイノシシの個体数を半減させる目標を掲げている。
 こうした対策によってジビエ料理の材料が入手しやすくなり、地域振興に活用する取り組みが始まった。長野県は今年4月、「野生鳥獣対策室」を「鳥獣対策・ジビエ振興室」に改編。地元の観光団体が参加する研究会を設置し、ブランド作りを目指している。三重県も5月から「みえジビエ登録制度」を開始し、参加する飲食店や販売店をホームページなどで紹介。千葉県内には12年3月以降、野生鳥獣の食肉処理施設が2カ所新設された。
 普及に伴い課題となるのが衛生管理だ。牛や豚などの家畜は「と畜場法」などにより衛生管理の規制があるが、野生鳥獣には国の規制がない。シカやイノシシの体内からは寄生虫のほかE型肝炎ウイルスも検出されることがあり、食肉として扱うには注意が必要だ。現在、34の自治体が衛生管理の指針を設けているが、独自に策定しているため、基準にばらつきがあるのが現状だ。このため、「国として統一の指針が必要」との声が強まっていた。

8月22日 紀伊民報 ジビエバーガーを開発24日、夏まつりで無料提供 古座川町とぼたん荘
 和歌山県の古座川町と同町月野瀬の南紀月の瀬温泉ぼたん荘は、ぼたん荘近くに建設中の鳥獣食肉処理加工施設の稼働に向け、ジビエ料理を開発している。24日には同町相瀬の一枚岩鹿鳴館前の河原で開く「守り犬の夏まつり」で、ジビエ料理の第1弾として開発したジビエバーガーを無料提供する。
 開発したのは町産業振興課の細井孝哲さん(30)、ぼたん荘料理長の野崎洋一さん(55)、副料理長の深海政也さん(37)。県猟友会東牟婁支部古座川分会などの協力を得て、町内で捕獲したシカの肉を使って作った。
 9月には町内の飲食店なども参加して「古座川ジビエ振興協議会(仮称)」を発足させる予定で、施設が稼働する来年5月末ごろまでに、さまざまなジビエ料理を開発し、稼働後もジビエを生かした地域の活性化を目指して活動していくという。

8月23日 朝日新聞 高知市にジビエ料理専門店オープン
 野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理の専門店が高知市内にオープンした。腕を振るうのは、県内の観光施設や料理コンテストで数々のシカ肉料理を開発してきた同市の西村直子さん(44)。西村さんは「肩ひじ張らず、仕事帰りに気軽にジビエが食べられる店にしたい」と話している。
 ジビエ料理店「Nook’s(ヌックス) Kitchen(キッチン)」は、ひろめ市場にも近い高知市本町3丁目の高知本町郵便局そばで7月末に開店した。
 毎日のように変わるメニューには、シカの塩たたきやジビエ中心の前菜盛り合わせ、イノシシの串焼きやローストなど、「おはしで食べられる家庭料理でたくさんの人にジビエを味わってほしい」という西村さんのこだわりが詰まった料理が並ぶ。シカやイノシシは、木の実などの良質なエサが豊富な県東部の室戸市や北川村の肉を主に使っているという。

 8月24日 富山新聞 シシ肉料理、商品化へ 高岡市商工会、グルメ開発委が始動
 高岡市商工会の「ししグルメ開発による地域活性化プロジェクト」の第1回勉強会は2 2日夜、市商工会館で開かれ、委員ら16人がイノシシ肉料理の商品化を目指す方針を決 めた。市内で相次ぐイノシシの出没を逆転の発想で捉え、地域の恵みとして活用する。
 昨年度、商工会青年部開発委員会が進めたイノシシ肉のグルメ開発を発展させ、地域資 源活用などを専門とする中小企業診断士の丸亀徹さんと山田卓矢さんが指導役として参加 する。
 勉強会では、開発委員会の活動を振り返り、各委員らが今後の目標や事業展開で意見を 交換。イノシシ肉の原価が高いことや、県西部にイノシシの加工場がないことなどが商品 化の課題として挙がった。
 プロジェクトでは、来年1月までに4回の勉強会を開くとともに、福岡町つくりもんま つりや中田かかし祭での試食会を実施する。先進地視察研修会で10月に長野県下諏訪町 、12月に兵庫県佐用町を訪ね、獣肉開発の取り組みを学ぶ。
 ししグルメプロジェクト委員会の山口克次委員長は「全員で目的を共有することができ 、グルメ開発の意欲が高まった」と話した。次回の勉強会は9月中旬を予定している。
 高岡市内のイノシシの捕獲数は今年すでに20頭を超え、昨年1年間の25頭に迫って いる。

 8月29日 北國新聞 イノシシ解体会社を設立 先端大の学生、猟師と飲食店仲介
 石川県内に生息範囲が広がり、農作物を荒らすイノシシを地域資源として活用しようと 、北陸先端科技大学院大に通う20代の学生5人が会社を設立した。猟師が捕獲したイノ シシを解体し、肉や皮、毛、骨を飲食店や工房に仲介、商品化のアイデアも出し、手数料 を利益にする。北海道や京都の飲食店への販路開拓を進めており、新たな北陸のブランド を目指す。
 知識科学研究科の吉村祐紀さん(24)、藤丸紘樹さん(25)ら5人が5月ごろから 準備を進め、7月下旬に登記を終えた。現在、解体に必要となる狩猟免許の取得に向けて 準備を進めている。
 起業のきっかけは、大学が白山麓で展開するイノシシ活用のプロジェクトへの参加で、 「捕まったイノシシを処分するだけではもったいない。食肉だけではなく、丸ごと商品に すれば売れるのではないか」という意見が出て、起業を志していた学生有志がビジネスモ デルを練り上げた。
 肉はジビエ(狩猟による野生の鳥獣肉)として飲食店に販売する。皮はなめしてもらっ てバッグや財布、毛は化粧用の筆に加工、骨は砕いて九谷焼の素地(きじ)に混ぜること を視野に交渉を進めている。
 来年11月末までの初年度に、イノシシ100頭を丸ごと商品化する目標を掲げた。I T企業に勤務していた吉村さん、流通・アパレル関係の会社に勤めた藤丸さんが営業を担 当し、販路拡大を担う。吉村さんはつてを頼って北海道のバーや京都の日本料理店とも食 肉や加工食品を卸す約束を取り付けた。藤丸さんは生息地の拡大が進む羽咋市など能登で の事業展開を模索している。
 社名は「ハタブネコンサルティング合同会社」とした。イノシシの事業が軌道に乗れば 、事業を子会社に託すやり方で成長する「旗艦」としての企業像を思い描く。