2026年02月25日
2月9日・10日の二日間にわたり、宮城県大崎市の鳴子温泉公民館および大崎市地域交流センターにおいて、大崎市主催によるジビエ料理講習会が開催されました。市内の飲食事業者や宿泊事業者、処理施設関係者、自治体関係者など約50名が参加し、大崎ジビエの利用拡大に向けた実践的な学びの場となりました。
当協会からは藤木代表が登壇し、「GIBIER de 地方創生」のコンセプトによる地域振興の考え方を解説しました。座学に加えて料理の実演と試食を行い、参加者の皆様にジビエの魅力を体感いただく構成としました。
大崎市において猪が里山に現れ始めたのは比較的近年のことであり、地域にもともと猪を食べる習慣があったわけではありません。だからこそ、まずは地元の飲食事業者や宿泊関係者が実際にジビエを味わい、その可能性を知る機会をつくることが重要です。ジビエを使ったことのない事業者の間では、加熱すると硬くなるのではないか、単価が高くて採算が合わないのではないかといった不安の声が少なくありません。
こうした懸念に応えるべく、座学ではジビエを柔らかく仕上げる調理法や多彩な活用法を紹介しました。料理実演ではキウイフルーツを漬けダレに加えた焼肉を提案し、試食した参加者からはその食べやすさに驚きの声が上がりました。味の探求を通じて固定観念を覆す、まさに体験型の講習会です。さらに、比較的安価なミンチ材を活用したソーセージやメンチカツ、和食メニューとして猪のスキ煮も紹介し、価格面でも幅広い業態で取り入れやすい提案を行いました。
会場には地元処理施設「ジビエの郷おおさき」の代表や施設責任者、スタッフも参加し、商品の展示と商談に対応いただきました。同じ市内であっても、飲食事業者と処理施設が日常的に接点を持つ機会は意外と限られています。講習会終了後には多くの参加者が展示ブースを訪れ、その場で商談や購入に至る様子も見られました。つくる側と届ける側、そして提供する側がひとつのテーブルを囲むことで、地域の中に新たな流通の芽が生まれる瞬間でした。
地道な取り組みではありますが、こうした講習会を一つひとつ積み重ねていくことが、「大崎ジビエ」を地元の名物へと育てる確かな一歩になると確信しています。地方創生の原動力は、地域の資源を地域の人々が自らの手で価値に変えていくこと。当協会は今後も各地のジビエ振興を全力で支援してまいります。